元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

file77「三倍楽しめる」ドラマその2「ファイトソング」

f:id:oshi-mystery:20220310081812p:plain

↑ドラマ「ファイトソング」火曜午後10時〜、 TBS系列。

TVやVOD(動画配信サービス)にハマった60代おばちゃんです。3月末で終わるドラマのうち、メチャハマっているドラマが2本あり(一位は「ミステリと言う勿れ」フジテレビ系)、もう一つがこちら「ファイトソング」(火曜午後10時〜、TBS系列)です。

▶︎最初は、「まんまで、楽しむ」(物語、配役)

世間一般では、このドラマ、片想いだらけの三角関係(にもなってない?)の結末やいかに、の「最終回」(3月15日)待ち。主人公の花枝(清原果耶さん)は、施設で一緒に育った慎吾(菊池風磨さん)か、恋の取り組みで再び売れっ子になった芦田春樹(間宮祥太朗さん)か、それともどちらも選ばないのか・・が話題です。

先週第九話は、ラストシーンで「エレベーターに居合わせた、花枝・春樹・慎吾」で終わってました。3人揃ってしまって、気まずいというか、とにかくお互い「ウヒャア、どひゃあ」な状態です。

余談ですが、3人の走りっぷりと「集合場所」エレベーターについて。清原さんのフォームが一番良かったような気がします。集合場所は、ちょっとピンポイントすぎないかー?とか思っておりました。時々、このドラマは笑いを取るシーンをぶっ込んでくれるので、それかな?とかも思ったり。

cf、今季のドラマの中で、走りっぷりが見事なのは、日曜劇場「DCU」に出演中の横浜流星さんと思われます。前傾姿勢、足の上げ方、腕の振り方、カメラに映るスピード感、どれをとってもカッコイイです(でも、今週のDCUの「水中捜査」シーンが、温泉の浴槽の中だけだっったのは、ショボすぎて!ちょっと笑っちゃいました・・お許しください)。

さて。

恋愛もので、エレベーターに閉じ込められるシーンといえば、昔、ドラマ「花より男子」で道明寺司松本潤さん)と牧野つくし(井上真央さん)が初デートでエレベーターに閉じ込められるシーンがありましたよね・・・(古いやつで、申し訳ございません)。

そのドラマでは2人きりで「長時間、閉じ込められた」設定でしたが、今回は3人。しかも(予告編を見る限り)そんなに長時間という設定ではないようです。

f:id:oshi-mystery:20220314093624j:plain

↑エレベーターに3人となって驚く花枝。(c)TBS、「ファイトソング」

▶︎次に、「ちょいと深読みで、楽しむ」(ファッション、演技)

ネットでは、「花枝はアスリートで、どちらかというと恋愛オンチな設定なのに、初デイトから結構いろいろ服を持っていて、ファッショナブルっぽいところが気になる」とも噂されております。

確かに、ジャージで暮らしていそうな(失礼)アスリートにしては、コートを何枚も持ってるし、そのスタイルも今どき風で、いつそんなセンスを磨いたのだと思わせます。「一緒に、恋の取り組みを」と言ってた春樹(=「かつて売れっ子、ちやほやされた経験もある」という、過去とはいえ、人気者想定のミュージシャン)に対して、洋服や髪型について注文つけちゃったりすることもありましたね。

(「アスリートのわりに」というなら、逆に、華やかそうな芸能界に身を置いてるわりに春樹はウブすぎる感じがします。ここまで女の子の心理や恋愛に疎いのも、設定として、妙じゃないかと思いますがねー)

なお、タレントさん・俳優さんのドラマ中のファッションについて、ですが。

昔々、私が雑誌編集として、ドラマの現場に行って取材したときに見聞きした経験ですが(※今は変わっているかもしれませんので、念のため)、主役級のタレントさんには現場マネージャーと専属スタイリストとヘアメイクがついていることが多いです。

で、スタイリストは、シチュエーションごとに着替えを3パターンくらい用意していています。何を着るかは、制作ディレクターの指示だったり、あるいはタレントさんの好みだったりで直前に決まりますが、同時に映り込むタレントさんの服の色と被らないようにしていると思います。

(その点で気になったのは、春樹のコートファッションです。2年前のカラス族っぽい黒中心から、今回のようなブルーグリーン系?の色は似合うとは思うけど。形が・・。ウエストあたりのライン、シェイプの仕方が奇妙かなと。ウエスト部分の絞り方が、あまり合ってない気がしました。※個人の感想です)

清原さん、日本アカデミー賞助演女優賞を受賞したようですね。まだ20歳なのに、すごいです。

▶︎最後は、「他のドラマと比べて、楽しむ」(設定、その他)

主人公の花枝は、八話で耳の手術(聴神経腫瘍)を受けて、九話では失聴している様子でした。聴神経腫瘍は、片耳にできることが多く、花枝のように両耳にできることは少ないようです。

聴力を失ってしまった(or著しく低下した)主人公とその周囲の人々を描くドラマといえとば、「オレンジデイズ柴咲コウさん、妻夫木聡さん)」、「半分、青い(永野芽郁さん、佐藤健さん)」、「愛していると言ってくれ」(豊川悦司さん、常磐貴子さん)。小説では『レインツリーの国』(有川浩さん・著、同作家の小説『図書館戦争』でも中途失聴者の女性が登場します)でしょうか。

「オレンジ・・」と「半分、、」は、同じ脚本家の手になる作品で、彼女は自らが聴神経腫瘍で手術を受け、片耳を失聴していることを、公表しています。ゆえに、病気のリアルが描かれているようにも思います。

ドラマの中では、女性が失聴者になる設定が多いようです(「愛していると言ってくれ」は、男性が7歳の時に病気で失聴したことになっていますが)。

また、このドラマの最後には、テロップで「聴神経腫瘍に対する治療は、様々な場合があります」的なことが書かれています。さっと流れてしまうので、私の読み間違いかもしれませんが、脚本家や監督がきちんと勉強してドラマを作っているように見えます。

言語を獲得した後に聴力を失った場合(=中途失聴者)は、手話を使わない(習わない)らしいです(『図書館戦争』)。だとすると、「愛していると言ってくれ」の榊晃司(豊川悦司さん)が手話とFaxで会話するという設定は、ビミョーかもしれません。

それにしても。

聴力の低下とか、人の話が聞きづらいというのは、他の人には分かりづらい現象です。皮肉なことに、視覚障害は、他の人に「見える」のに対して、聴覚障害は他の人に「見えません」。そのために健常な人が「話しかけても、無視する(→失礼な奴だ)」「挨拶もしない」などと、あらぬ誤解を受けがちです。

このドラマの主人公、花枝を取り巻くメンバーが一致協力して、花枝の聴力不足を補うように、口を大きく開けて、ゆっくりと語りかけ、時にはフリップなども使っているのは、ほとんどありえない現象だなあ、と思います。

今までのドラマの失調者たちは、自分が声を出すのも怖い、人と話したくないナドで心を閉ざすことが多く、花枝のように「運転免許を取りたい」なんて積極性を見せることはなかったように思います。いいことなんだけどね、でもちょっと花枝は痛々しい、かな。

 

今の現実社会では、マスク着用が必須なので、唇の動きは読めません。声も聞こえづらいままです。聴覚に難がある人間は、対面はもとより、電話は苦手です。

両耳が失聴していたら、あんなに1人でスタスタ歩けないような気がするんですけどね。ましてや、全速力で走るって難しそうな気がします。怖くないのかな。

もしかすると、「失聴者」や「障害者認定」を取れたら、

f:id:oshi-mystery:20220314093931p:plain

実は。。。私も、数年前から難聴です(聴神経腫瘍ではありません)。重症ではないけど、それでも歩いていて、車のクラクションや自転車のベルの音が聞こえず、怖い思いをしたこともあります。耳鳴りと眩暈も、たまにあります。テレビでは、日本語版字幕をよく使います。早口の漫才などは聞き取れず、笑いについていけません。映画やVODでは、字幕ものしか見ません(吹き替え版ではよく聞き取れない)。

耳が不自由だと、何かと不便です。もし今より難聴の度合いが進んで、全く聞こえなくなったら、例えば、災害時の防災アナウンスなども聞こえなくなるんだ、と思います。怖いです。

 

 

oshi-mystery.hatenablog.com