元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

file 27「世代の違う文化」を注入♪ミイラ取りがミイラになった「図書館戦争」

▶︎盗み読み?して、その人の価値観を知る◀︎

自分が「子ども」だった頃、自宅には母の本コーナーがありました。小学生の後半くらいから、たまに、無断でそこにある本を借りて読みました。子どもが読むようなもんじゃないかもしれないと思って、ドキドキしながら、、、大半はそうじゃなかったけど(笑)。

母の「眼鏡にかなう」本は、どんなものなのか好奇心もありました。それらの本との出会いによって、自分の「面白いと思う本の基準点」もできていったかな。

 

▶︎子から伝わる。異世代の〝感覚”交流◀︎

時は流れ、今度は逆の立場になりました。子が、本や漫画を愛するようになり、時々、「これ読む? もう私は要らないけど」と、何かしら持ってきます。

(↑内心の声:本まで、私に〝残飯処理”させる気か〜とも思うが)

「もう要らない」=すでにオワコン&不用品、あるいは「堪能した」という意味。たぶん世間的にも「話題のピークは過ぎている」ので、流行りとは言えないけど。まあ、自分のような中高年が、出会えそうもない(手に取りそうもない)作家の、作品に出合えるチャンス♪

今回の本はとくに、文字とか言葉に関係あったので、一気に読めました。

子どものすなる読書により、世代の違う文化が注入されてた結果、子どもよりハマった気がします。

ミイラとりがミイラになるって、このことかな(読む前から、私のアタマがミイラ並み?だったかどうかは、ナイショ♪)。

 

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図書館戦争有川浩・作、角川文庫

タイトルは、図書館戦争」。文庫本、全6冊(本編4冊、外伝といった位置づけの別冊2冊/有川浩カドカワ、上記写真は一巻のみ)を、バク読み。ふぅ。

小説の舞台は、架空の日本。テーマは、言論の自由あるいは不自由かな。文字狩り、言葉狩りの世界が進行したら、本当に図書館だけが検閲に対抗できる唯一の機関になるかも!と思わせる作りで、途中、はらはらドキドキの恋とアクション、愛と友情と成長の物語。

ご存知の方も多いと思いますが、一応ストーリーと登場人物を、ちょこっとご紹介。↓

主人公は、図書隊タスクフォースの唯一の女性隊員、笠原郁。見守る上司が、堂上篤。同じ隊のメンバーで、堂上教官と同期の小牧、笠原と同期の手塚、そして笠原と寮で同室・同期の情報通、柴崎ら。彼ら彼女らが織りなす群像劇は、それぞれが自分の課題と向かい合い、戦いながら、成長していく物語。

武力行使まで辞さない検閲とか、差別用語にまつわる本当の差別意識(文字の使用制限をしたところで、差別意識は無くならないと思う。たぶん、意識の奥深くに埋もれたまま)のこととか、本当に考えなくてはいけない問題が、物語の中にいっぱい提起されています。楽しみながら、考えてねっていう、作者の想い?問いかけ?がいっぱい。

有川浩さん(女性です)の、間違いなく、代表作。物語の構想は壮大ですが、内容は恋と友情のあっついお話で、すらすらって読めちゃいます。

漫画やアニメ化もされていますが、本の次は、映画とドラマに行きます。

 

▶︎映像は、アクション中心で◀︎ ※ネタバレあります

映画が2本、その間にテレビドラマスペシャル1本あります(2013年〜2015年)。3本ともレギュラー陣は同じ配役。ただ一人、第1作の映画で図書隊の総司令を務めていた児玉清さん(文庫本でも後書き書いていらして、作者の有川さんとも仲が良かったみたい)が故人となったため、2作目のドラマと3作目の映画では石坂浩二さんが出演しています。

※現在、動画配信サービスで見ることができます(私の場合はAmazonプライム)。

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俳優さんたち皆さん、カッコイイです。きりりっとしてます。撮影地、撮影アクションも本格的です(防衛省陸上自衛隊航空自衛隊の撮影協力があってこその、ド迫力!)。銃撃戦の迫力もすごいけど、なんといっても、堂上教官を演じる岡田准一さんの格闘シーンが緊迫感いっぱい!です。

以前、映画「SP」や「ザ・ファブル」で見せてくれたアクション、大河ドラマ軍師官兵衛」で見せた三艘跳び?の凄さが、ここでversion  upされてます!

「スススッ(音もなく擦り寄る)」「シュッ(襟首つかむ)」「ボカボカッ(静かに殴る)」「ドサッ(音もなく相手倒れる)」「さーっ(素早く立ち去る)」です。

ただし。第3作LAST  missionで、堂上教官が銃撃され、右肩〜首にかけてと太腿の銃槍からかなり出血という状況は、原作よりも重症な感じです。それが、ラストシーンに至って堂上教官があれだけピンシャンしているのは、ちょっと・・。治り早すぎ(笑)。

アクションシーンについては、素人目にも少々綻びが。例えば、堂上教官が格闘して頑張ってるのに、笠原郁(榮倉奈々さん)が数秒、突っ立ってたり。堂上教官が動けなくて撃たれそうになるときも、笠原郁の登場が数秒遅い気がするけど・・。

 

▶︎最後にちょっとだけ◀︎

図書館戦争」は、なんせ群像劇ですから、俳優さん同士が組み合わさるシーンでは演技のテイストみたいなものが違うかもって感じることもありました。

例えば、主人公を演じる榮倉奈々さんと、上官役の岡田准一さんの演技の雰囲気が違うような?? 榮倉奈々さんは「ラブ+アクション映画」、でも岡田准一さんにとっては「アクション映画」重視な感じ。

ただでさえ、岡田さん演じる堂上教官、仕事に対する使命感が強すぎて、ラブ度が(原作でも)薄い。映像でも、笠原郁を見守る目にラブ感が少なめ、ツンデレ度も少なめ。かわいい部下とか後輩を見る目で、恋人を見る目じゃないっす。作品全体にラブ度は薄め安定なので、中高年の視聴者は、その方が安心して?見てられます♪けどね。

そうそう、ラブ度が低めなので、中高年には向いてる作品かも。

例えば、松坂桃李さん(男の子ママなら「仮面ライダー」出身イケメンと分かる)演じる策士、手塚彗も、意外と雰囲気合ってるので、おばちゃんとしましては「悪役っぽいのもできる俳優さんなんだ」という発見をしました。

田中圭さん演じる小牧教官は、知的かつアクティブで、しかも恋人役を演じるのが広瀬すずさんなのを見ると、おばちゃんは「よかったよかった」と思いました。

そう、田中さん、ようやく、今度こそ、恋人になるヒトは、おっさんではなく(最近の出演作品を思い浮かべて見てね)、まっとうに?可愛い高校生(でも今度は年下すぎる?)という設定なので、まあ「よかったよかった!!」と思うわけです。

 

中高年向けに、若者作品を考えるって感じになりました。

おもしろい映画、ドラマに出合えると、ハッピーな気分になります!

 

file 27「世代の違う文化」を注入♪

ミイラ取りがミイラになった『図書館戦争

▷日常生活のなかで浮かぶ、由なきことを、

サ行のキイワードに言寄せて、綴ります◁

※今回はミステリ以外の作品を紹介してるので「サシスセソ事件簿」に入れました。

 

●その他の記事はこちら 

oshi-mystery.hatenablog.com