元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

食べたいものが食べられる幸せ〜老婆の休日〜

どもども。2022年になりましたね、ツレが昨年亡くなったので、何となく「おめでとうございます」と言う言葉が言いづらい60代のおばちゃんです。

例年のように年賀状に悩むこともなく、ただ掃除と料理に明け暮れる年末年始。

 

ツレが毎年、「お煮しめ」を作ってくれていたので、今年、初めて私がチャレンジです。恵まれていました(笑)。だから、私は遅れてやってきたニワカ主婦なんであります。

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↑地味めの写真ではありますが、upしてみます。仕分けのできる鍋の蓋は木製で、煮込んでいる間すごくいい香りがします。

拙いながらも、お煮しめができ、好きな八つ頭の煮物もまあ食べられるほどになり、簡素なお雑煮も作ってみました。(成人した子どもたちは、小学生の昔から、あまりおせち料理が好きではないようで、箸が進みません。まあ、私の自己満足かもねとか思いつつ)「季節のけじめだから食べてね」と言って、元日2日くらいは「おせち」で過ごします。

 

消化器が弱かったツレは、癌のステージが確定する検査の途中から少しずつ食欲が衰え、本格的に抗がん剤の治療が始まった頃からは、食べられるものがどんどん少なくなっていきました。自宅で最後に何とか食べられたのは、カップアイスだけです。

それを思うと、今の自分は「食べたいものが食べられる」。それだけで幸せ。しかも「それが美味しいと思えるのも、幸せ」なんだなー、としみじみ思います。

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↑食後は、ういろう(虎屋というお店のもの)。和、ですね〜。

30代の頃、ごく短い時期でしたが、食べ物雑誌「D」の編集部にいました。創刊して間もない頃(1990年頃)です。まだまだアナログ時代で、いろんな読者の方がお便りをくださっていました。編集部員は、それにまめに目を通していました。

中に、中高年の男性からのお手紙があり、妙に記憶に残っています。

「50歳を過ぎ、改めて、食生活について考えさせられます。一日3食きちんと食べたとして、1年で1000食ちょっとです。元気に美味しくごはんを食べられるのは、あと10年、一万食くらいでしょうか。そう思うと、一食一食を大事にしようと思うのです」

 

いつが、最後のごはんになるか分からないから。そう思って過ごそうかな、なーんて正月に考えています。