24歳、妻あり娘あり。仕事ができて、家庭円満ラブラブな刑事が、事件を追ううち銃弾に倒れて昏睡状態になり、22年間、目覚めなかったら? 奇跡的に目覚めてやっと復職したとき、妻は、かつての同僚は、そして新しい世界は、彼をどう迎えたか?
なーんて設定で、始まるドラマです。
主人公のファルコを演じる俳優さんは、パリ出身のイケメン40代。役柄も、見た目の雰囲気も、マダム・キラー(!)な感じです。
▶︎フランス人ならではの味付け◀︎
もとネタは、ドイツの人気ドラマ「DER LETZTE BULLE(英題:the last cop)」。2010年開始で人気を博し、続いてフランス版リメイクが2013年「刑事ファルコ」、日本版が2016年「ラストコップ(唐沢寿明さん主演)」に。
ドイツ版と日本版はややコメディタッチのようですが(未見)、フランス版はさすがアムール(愛)の国が作っただけあって、ファルコの私生活(愛の行方)も重要。アナログ刑事は捜査に邁進しつつ、失った家族との時間とその原因を作った銃撃犯のことで日々悩んでいます。コメディ要素なしです。
いくつになっても身なりに気を使い、恋愛現役志向の強いフランス男性の御多聞にもれず、ファルコ刑事も、おしゃれです。復職した当初は、20年以上前の(今では流行遅れな感じの)ド派手なシャツを着ていますが、徐々にイケてるファッションに。革ジャンも似合うし、差し色で使うジャージの上着さえかっこいい。バイク通勤もサマになってます。フランス男は伊達に年取らないって感じです。
▶︎友人知人から聞いたこと◀︎ ※下記内容は、あくまで個人の見解です
フランス人と結婚した知人、留学してたころフランス人と付き合ってた友人がいます。彼女たちに言わせると、「フランス人の男性は、子どもがいてもいなくても、まず妻や恋人との会話が大事。愛がないとダメ」だとか(個人差はあるでしょうけど)。
日本では、女性が母になると、家庭では母ー子ー父のV字型コミュニケーションになりがちと言われますが、フランスでは「基本が恋人同士のユニット」であり、子どもはその間に入らないT字型コミュニケーション、・・らしいです。
マダムになった知人は、さらにユニークな経験談を話してくれました。
「フランスやイタリアのラテン系の男性は、ベビーカーを押している女性に、それほど優しくない。理由は、他の男のオンナだからって感じ。それに比べると、ドイツやイギリスの男性は、ベビーカーを押してる女性に優しい。階段や大きな段差があれば、ベビーカーを持ち上げて運ぶのを手伝ってくれることさえある。ゲルマン系の男性は、恋や愛より『子どもを産んだ女性』を尊重する習慣があるのかも」とか。
でも、刑事ファルコは、シーズン1(全6話)の最終話で、娘のために、やせ我慢しちゃいました。一方、仕事では、自分を撃った犯人を探すと息巻いてますが。これまた不穏な雰囲気です。続きが見たいよー、と願っております。
註)2021年6月現在、目下、日本では「刑事ファルコ」シーズン1(字幕版)だけ、VOD(Amazonプライム他)で見ることができます。ドイツの本編はシーズン5まで、フランスの「刑事ファルコ」はシーズン4まで制作され、公開されているようです。