元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のテレビドラマ・映画・漫画の感想をつれづれなるままに書きます。

ドラマ「イチケイのカラス」は、異色な「げっく」?!

リーガルもののドラマは、一応ミステリ(謎解き)の範疇。今回、月曜午後9時の通称「月九」は、裁判官が主人公のものとあって、激レアです。自称ミステリ好きとしては見てみたくなり、遅ればせながら、第3話を覗き見しました〜。

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漫画からドラマへの小粋な変更

原作は同名の漫画。そこでは、エリート判事補が主役。それがドラマでは、その判事補の性別を女性に設定変更(ドラマでは黒木華さん)し、個性派の中年判事(ドラマでは竹野内豊さん)が中心になっていました。

番宣(番組宣伝)写真↓を見ると、竹野内豊さんと黒木華さんのW主役っぽい印象ですが、月九ドラマのファンは主に女性なので、竹野内さんの比重がちょっと大きいかな?

イチケイ」は東京地方裁判所第三支部第一刑事部、「カラス」は、黒の法衣をまとう人=裁判官です。

 

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なお、ドラマのHPにある人物相関図をみると、その2人をサポートする存在として、第一刑事部部長(小日向文世さん)、書記官(新田真剣佑さん)らが加わり、チーム一丸となって、解決への案内人を務めています。推測も、忖度も、体裁を取り繕うこともなく、きちんと事実を明らかにしていくのが、基本方針のようです。

 

裁判官でも現場検証(と称していいのか?)に立ち会ったり、裁判所以外のところで証言を聞いたりできるんだー、という発見があります。 

各種発見があり、共感もあり、すがすがしくマジメで、見終わった時に清涼感が残る、いいドラマだと思います。

 

月九のロマンスは、容疑者側に  

※ネタバレあり

フジの月九ドラマといえば、伝統的に「1991年の『東京ラブストーリー』以来、恋愛モノ」というイメージがあったのですが(私だけ?)、曲者ぞろいの裁判官チームにはあまりその気配は感じません。

人物紹介の記事には、「書記官がエリート判事補に好意を抱いている」と書かれていますが、う〜ん、黒木華さんと新田真剣佑さんには、その種の甘い雰囲気が少し薄い(笑)。真面目な役柄のせいですかね。

 

黒木華さんは、とても演技の上手いステキな女優さんで大好きですが、なんとなく、どの役をやっても、恋愛にハマる「前のめり感」とか「ドロドロ感」が匂ってこない・・感情のギアを決してトップに入れない、ニュートラル状態キープな雰囲気を感じます。※1

竹野内豊さん演じる判事と、よきバディになっていくのか、それとも同郷の超エリート女性判事にならって鉄の女ふうの効率優先な判事になるのか。今はまだ、先輩判事のやりかたに戸惑い、一歩ひいてる感じで、とても互角ではありません。今後成長していくのかな?

※1 素人の個人的見解です。すみません。

 

でも、第三回のドラマには、容疑者側に、切ない思いが秘められておりました。月九ならではのロマンス感がありました。

 

殺害されたのは、市役所の職員。その妻は警察官。容疑者は、かつて罪を犯して景気をつとめ上げ、出所してガラス工芸教室をやっている男。

世間的には、圧倒的に「加害者は再犯者で、重罪」という印象です。

が、事実はもう少し複雑でした。被害者の妻と容疑者は、昔からの顔見知りで、容疑者が自殺しようとしたのを止めたのは、被害者の妻でした。

容疑者は、誰かを庇っている。

裁判官は、事実を明らかにしようとします。

裁判の場で、ようやく明かされた事実は・・・。

 

月九の平均年齢が、上昇中?

昔、トレンディードラマ(もうこの言い方が死語?)の主役は、40歳どまりだったように思います。が、昨今は視聴者の平均年齢が上がり、かつ20−30代の若手の台頭が追いつかないのか、主役クラスが50代というのも見かけるように。

今の50代の俳優(男性)は、軒並み、バリバリ現役感のある方が多いです。

たとえば、今回の竹野内豊さん(50歳)はもちろんのこと、西島秀俊さん(50歳)、北村一輝さん(51歳)、沢村一樹さん(53歳)、大沢たかおさん(53歳)、織田裕二さん(53歳)、江口洋介さん(53歳)、東山紀之さん(54歳)、阿部寛さん(56歳)、堤真一さん(56歳)と錚々たる方々です。

今も主役を張れる方がたくさんいらっしゃいます。

*年齢は、2020年3月現在。ネット調べ。 

 

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きずな元年、アンチ効率主義で

コロナ禍の続くなか、在宅勤務や「人的交流を減らす」動きなどで、自宅で過ごす時間や家族とのきずな(絆)を見直す1年でした。

そんな時期に、「取り扱う案件の量が少なく、もっとテキパキ、たくさんの案件を片付けたまえ」的な非難を浴びるイチケイを見ると、なんだか応援したくなるような、ホッとしてしまうような感じです。

第3話の容疑者は、「誰に出会うかで、人生は変わる」と語ります。

判事は「(服役していた期間があることを指摘した上で)その時間があったからこそ、今のあなたがある」と言い、

刑事部長は「罪を償うチャンスを奪ってはいけない」と静かに語ります。

しみじみ、じーんとするようなセリフがいろいろ出てきます。

 

刑事部長を筆頭に、イチケイは、アンチ効率主義のように見受けます。

週初めの月曜日の夜に、もう一回、ゆるやかさを噛みしめられるドラマを見て、元気だしましょーって感じです。

 

 私も、できれば在職中に、効率主義者の上司たち(現場を忘れたおっさん)たちに言いたかったなあ。。。

早くやればイイってもんじゃない。

粗製濫造、やっつけ仕事は、したくない。

所定時間内に全部やれって言われても、できないことはできない。

なーんてね♪

 

さて、ドラマを見て、内心のカタルシスを味わいつつ。

イチケイのポリシーをめぐっては、周囲の反発、軋轢などもいっぱい。最高裁判事のひそかな思惑もあって異動してきた判事補や検事も、この先、どうなっていくのでしょうか。また最高裁の女性判事(演じるのは草刈民代さん)が、イチケイの変身あるいはテコ入れを図る試みはどうなるのでしょうか。女性判事と因縁のありそうなイチケイの判事たちとは、今後どんな対決をしていくのでしょうか。

ちょっと目が離せない展開になりそうです。

 

見逃し配信もやっているみたいなので要チェック!