元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

「刑事モース」case6.死のパレード(※1)

【推し!ミステリ】第六回

 食べ物、飲み物事情で、観る!

〜紅茶とウイスキーとビールと、タバコ〜

 
 
Case5はこちら
 

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 © Mammoth Screen Ltd 2012 All Rights Reserved. Licensed by ITV Studios Ltd.(BS11より)
 
 
モース刑事、4カ月ぶりにオックスフォード市警に
戻ってきました!
 
とはいえ、前回の事件で銃撃を受けたことは、
モースのトラウマになっているようで、
ちょっとした音にも過剰反応したり、
パブや自宅でも酒量がかなり増えている模様。
心身ともに、まだ本調子ではなさそうなのに。
 
case1のとき、モースは
「酒飲みません」とか言っていたのに、
case6まで来たら、よく飲んでます。
大丈夫かー。
 
と、サーズディ警部補も言いたげです。
 
自宅のくずかごに、いっぱい
ウイスキーの空き瓶があるのを
見とがめられたりもしてます。
 

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お酒やタバコを口にするシーンは、
現代のドラマではとても少なくなっていますが、
(ご時世ですね)
1960年代を描く「刑事モース」では
時代背景あるいは役柄の心情や立場などを象徴する
小道具として、有効に使われています。
 
「英国が舞台」というのを意識させる演出か、
紅茶も「刑事モース」ではしばしば登場します。
 
(日本の刑事ドラマでは「相棒」の
杉下右京さんが、紅茶好きですね)
 
ということで、今回のcase6は、
登場人物が口にする食べ物、飲み物が
どんな目的で登場しているのか考えながら、
事件をおっかけ!ます。

とんでもハップンな一日

復職の初日から、事件が降ってきます。
そう、ビル屋上から男が地上に落下して、死亡します。
モースは、現場に、すっとんでいく形に。
 
(でも、現場の証拠品の中から、
被害者の手帳がなくなるという事態に。
この謎は、ずっとあとまで尾を引きます)
 
同じ日、
パレード中のミス・イギリスに、赤インクを浴びせる
悪質ないたずらが発生。
この事情聴取も「モース、やっとけ」って感じです。
 
署内相談で「行方不明の娘を探して」という
父親に遭遇したモースは、思わず自主的に
「探しましょう」的な約束をしてしまいます。
 
事件が、モースを呼ぶのですね。
むしろ、好んで、巻き込まれていくようにも見えます。
 
仕事中毒気味です。
 
ちなみに。
モースは、お酒は飲んでも、タバコは吸いません。
パブでは、黒ビール。上司にもよく勧められてます。
自宅では、ウイスキーをストレートで。
(水割りって、イギリスには無さそう)
グイッと煽るように、飲むことが増えています。
 
美味しそうに飲んでいるようには見えないので、
やはり「アルコールの力で現実逃避したい」的な
雰囲気が感じられます。
 
って、演技なんだろうけど、
ほんとにそう思っちゃいますー。
 
さらに。
毎度忖度(そんたく)しがちなブライト警視は、
葉巻を愛用しているようです。
サーズディ警部補は、断然、パイプです。
紳士レベルは、葉巻かパイプがフツーみたいです。
 

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モースに冷ややかな先輩、ジェイクス巡査部長は、
パブなどで紙巻タバコを吸っています。
 
このcase6では、ミス・イギリスが
イライラしたときなどに、こっそり、
でもスパスパ、タバコを吸っていました。
 
女性がタバコを吸うのも
当時、さほど珍しくなかったようですが、
その吸いっぷりは、少し、はすっぱな感じです。
 
モースは、そんな人たちのケムに巻かれて
右往左往して、推理も紆余曲折。
 
ビルの屋上から落ちた男は、結局、
自殺ではなく、他殺と断定されます。 
やがて行方不明の娘も・・・
 
途中、盗難事件も一件絡んでくるのですが、 
なんかねー。この事件は、ビミョーです。

 

モースの「復活」

 

モースの思考が試行錯誤っていうか、
スリードもあって、ちょっと冴えません。
 
死んだ男の事務所に行って、さんざんな目にあいます。
 
そんなモースに復活の兆しを与えてくれたのは、
 モースの自宅のハス向かいに住む
モニカが持ってきてくれた
紅茶とゆで卵ではないかと思います!

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引越してきてまもなくから、
会話を交わすようになって、
なんとなくイイ雰囲気の2人ですが、
 
その日、上司にたしなめられて
少しひねくれていたモースは、モニカに
「臆病者って呼んでくれ」って・・
 
まだそんなに親しくもない相手に言うのって
モース、ちょーっと甘えてみたかったのかな〜
 
12歳の時にお母さんが亡くなったモースは、
いわゆる「失われたマザコン」なんじゃないかと、
私めは勝手に推測しておりますが、
 
モニカさん、うわてです。
看護師さんですが、モースのすさんだ心も、
ほわっと癒してくれます!

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にっこり笑って、
「臆病者っていうんじゃなくて、
今は単に落ち込んでるだけじゃない?」って。
 
立ったまま、紅茶のカップを手にして、
それだけでもほっこりしてたけど、
そのモースが、がぜん、元気に!
 
思考が、ぐるぐると善循環し始めた感じですー。
 
でもって。
モースは、ついに問題の場所にたどり着きます。
 犯行の場所には、葉巻の吸殻も・・・。
 

おわりに

 
最後に、モースは
殺人に関わったと思われる人物に
トラップを仕掛けます。
 
犯人を待ち受ける間に
今回の犯罪の背景にひそむ「戦争の残酷さ」を
説明しています。
 
事件の発端は、意外な人物の過去。
 モースが、それを掘り出してしまいました。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  締めくくりは、サーズディとモースの会話。
お決まりのサンドイッチのネタ話で和みつつ、
 モースが「でも、何か忘れている気がするんですよね〜」
と呟くと・・・
 
行方不明だった手帳が、誰かの手に渡るという
めちゃくちゃ暗示的なシーンが・・・。
 
これが、やめられない、止まらない、
ドラマ「刑事モース」の危険な罠です。
 
何か背景にうごめく組織があるのでしょうか。
 
気になりますねー。
 
では、次の事件に行きますかー!!
 
 
 
※1 原題 trove(貴重な収集品、掘り出し物といった意味)
 「刑事モース」シリーズが英国でテレビ放映されたのは、2012年のテスト版から。すでに「シーズン7(各4〜6本のエピソードで1シーズン括り)」まで、合計30本以上が制作・公開済み。
日本では、過去にWOWOWNHK  BSプレミアムが一部を放送し(放送終了、再放送の予定は未定)、現在(2021年3月)はAmazon primeで「シリーズ1(case9まで)」が配信されています。
またvodなら、FODやU-NEXTなどで「シリーズ3(case 10以降)」を扱っているようです。
FODやU-NEXTは、無料視聴期間や有料になった時の料金などが異なるため、事前にご確認ください。
 
このブログでは、Amazon primeの区分と邦題で記載しています。
各メディアによって、邦題や「シリーズ」区分が異なることがあります。
視聴する前に必ず確認を。