元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

0518「古畑任三郎」主演の田村正和さんの訃報を受けて

●以前(2021年3月)に、たまたまドラマ「古畑任三郎」のオンエア情報を見つけてこのブログに書いたものがありました。一部、内容を修正して更新します。

すてきな俳優さんでした。40歳前までは典型的な二枚目俳優、40歳過ぎてからは2枚目半ふうでも「主演」がイケる!という実証を示された方だったように記憶しています。

心よりご冥福をお祈りします。

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古畑任三郎」は、三役そろい踏み!の配役マジック

※ここでの三役とは、主役、脇役、敵役ってことで。(脇役の俳優さんも上手い方達ばかり。後にスピンオフ作品も作られるくらい、評判がよかった)。

 

 さてさて。ドラマなどのフィクション好きにとって、とかく日曜の昼間のTV放送はドラマが少なく、TV視聴もさすらい気味、じゃ、あーりませんか?  そんな方に、めっけもん! です。  ※2021年3月は、毎週日曜日に集中オンエアしていました。

 

四半世紀前に大人気だった刑事ドラマ、「古畑任三郎」(当時は、フジテレビ系列で放送)の一挙、再放送! 無料 です。2021年3月14日は、シリーズ1の後半でした。

 

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3月7日から毎週日曜、5週連続で「古畑任三郎」、一挙見(一部作品除く)が可能でした(当時は、スカパー、日本映画チャンネル、FODで観ることができました)。

※今後も、オンエアが期待されますね。

 

魅力1●主役の田村正和さん! 

1994年のシーズン1のオンエア当時、50歳です。(とってもそんなに見えないですよー。俳優さんの年齢は八掛け=20%割引で、見ることにしてます♪)

 ダンディで、そのご兄弟も素敵な俳優さんですね。お父さんは有名な時代劇俳優(バンツマ)でした。私の実家母(高齢者世代)は、その坂東妻三郎さんにキャーキャー言ってたらしいです。

 俳優一家の田村正和さんは確か、この作品以前は、専ら主役イケメン路線の人だったと思うけど(ニヒルな剣士、「眠狂四郎」も演じてました!ご興味あれば、ぜひそちらも)、「古畑任三郎」では、みごとに二枚目半っぽいハジけっぷり。

 

 見た目カッコいいけど、万年警部補(らしい)。部下をイジるツッコミ、少し変人っぽい味付け。推理には、目ヂカラと独特のフィンガーアクションの決めポーズです。しかも、上から目線じゃなくて、上目遣いに、犯人ににじり寄る。

 手を顔の近くで振りかざす仕草は、部分演技のTVにもってこい、って感じです。(芸人さんが、いろいろモノマネしてました)

 

魅力2●設定の面白さ

古畑任三郎」は、刑事ドラマなのに、アクションシーンなし。警部補は、銃も持ちません。でも、相手(容疑者?)との会話やその行動を観察して、その言動の矛盾を突いていきます。追い込む。知的ゲーム感覚の頭脳派、推理力がウリです。

三谷幸喜さんの脚本なので、会話一つ一つがまた面白い。

 

古畑任三郎は「えーとですね、それは、、ですか?」「あなたは、、、に気づいてしまったんだ。だから」などと言いながら、心理的に、じわりじわりと犯人に、にじり寄ります。犯人の、言動のほころびを見逃しません。

 

3月7日の放送分では、古手川祐子さん、坂東八十助さん(故人)、笑福亭鶴瓶さんらに、にじり寄ってました。身体的にも、距離を詰めて話してます。

今のご時世なら「ちょっと近過ぎ! ディスタンス!」とか言われちゃいそうなくらい。距離、ちか〜い!

 

魅力3●構成と配役

 冒頭で、犯人が分かってしまうつくりです。犯行するところを、古畑任三郎より先に視聴者が見ています。その分、視聴者は、犯人突き止める楽しさ奪われます(笑)。

このドラマを見るときのお作法は「どうやってトリック見破るの?」とか「(放送時間内に)逮捕できる?」に、全集中です。

 犯人は、毎回豪華ゲストだから、すぐ分かります*1 だから 安心して(笑)、犯人探し以外をエンジョイしましょう。

 

*1 追記(2021年6月10日)↓

日本のドラマでは、配役(顔ぶれ)を見ると、それだけで誰が真犯人か分かりやすい。だから、たぶん、制作サイドも、あれこれ工夫して、真犯人とそれ以外の怪しい容疑者にキャスティングしたり、脚本に苦労しているように見えます。

ところが、この倒叙型ミステリーなら、すぐ犯人が分かる! 安心して、ダントツな有名人や大物をキャスティングできる! 怪しげな容疑者は、他に要らない! というメリットがあります。その分、脚本が大変だったと思いますが。

 

例えば、シーズン1で、鶴瓶さんが犯人役のエピソードでは、

鶴瓶さんがエレベーターで、美人秘書の腰に手を回すナンテところが、いかにも! ス××だったり(セクハラなんて言葉がない時代ですねぇ)します。

 なぜそれが、視聴者に分かるかって言うと、古畑任三郎がエレベーターのボタンを「開」で止めてるから、だったりするわけです。

 

ぷぷっ。

 

他にも、鶴瓶さんが身代金もって移動するシーンで、背景に写り込んだ電柱に「時給800円」と書いてあったり。(バブルはじけた時代だとは思うが、やはり今より安い)

身代金の請求金額が三千万円だったりで、当時(1994年)の相場が推測できます。

 しかも身代金を千円札で用意させる。かさばりますねー。重そうですねー。ボストンバッグ一個に入りきるんだろうか? などというツッコミは、この際、ナシで。

 視聴する時の気分は「自由遊覧」が、おすすめです。

 20世紀末ごろに、マインドトリップ!です。

 

シナリオは、三谷幸喜さん。今見ても、やっぱり面白いです。

 ドラマの視聴者を、「泣かす」より「笑わす」ってすごく難しいと思うんですが、 この「古畑任三郎」は、三谷さんの脚本と俳優さんの演技とスタッフ皆さんの力で、見る人の最大公約数のツボみたいなところを「クスリ(笑)」と刺激してくれる。

 ただ、トリックは、、、。あまり追及しない方がいいです。鶴瓶さんのエピソードなんて、脅迫状をfaxで送ってくるんですけど、・・それって、ちょっと、、と思っちゃいますよね。

 では、また〜。