元編集者のナゾとき☆日記

ミステリー系のTVドラマ・映画・漫画の感想や生活実感コラムをつれづれなるまま書きます。

「刑事モース」case 3.殺人予想図(※1)

【推し!ミステリ】第3回
文字から、ナゾ解き?! 言葉遊びも

 

case2はこちら

oshi-mystery.hatenablog.com

 

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© Mammoth Screen Ltd 2012 All Rights Reserved. Licensed by ITV Studios Ltd.(BS11より)

「刑事モース」は、ドラマ一本ごとに約90分。

プロローグの映像からヒントが入ってて、

しかも最後まで、犯人が分からない(分かりづらい)。

つい、見逃さないぞ!と意気込んでしまう。

 

それはたぶん、私が

主人公より早く犯人に気づきたい!から(笑)です。

 

なんて、さもしいやっちゃ、と反省したところで、

今回のcase3では、新しい見方を提案します。

 

映像は、

「え? なんでここがクローズアップ?」という

ところだけ覚えておくことにします。

そこ、絶対ヒントです。

いや、たぶん、です。断言はしない。

 

クローズアップされた人やモノは、

何気に、心に留めておく。

 

でね、あとは登場人物の会話を楽しむ。

 

自分で犯人探しするのは、やめる。

 

むしろ、その種の思考は停止して、

映像を流れるままに、見る。

 

でもって、字幕の文字を

(難聴の私は、もっぱら字幕版です)

 

 字幕を深読み?

 

一行13文字程度の2行部分に、

ニュアンス含めた要素を入れる翻訳の人って、

すごいですよね。

 

(小姑根性の私は、つい、昔の仕事‥・

編集者の癖で、字幕をチェーック!しちゃいました。

 ああせい校正ってやつです。でね)

 

このcase3では1カ所、

「利発的な子」っていうのがあったけど、

「利発な子」でいいんじゃないかな〜、と思った。

 

ただ「利発的な子」という言葉に

視聴者の注目がいくよう、翻訳者が

意図的に仕組んだものだとしたら…

 ・・・・・・・

 深い。

 

実は、その「利発的な子」が重要なのです。

 

オペラへの造詣

 

冒頭は、あまりお似合いとは言い難い夫婦の

会話から始まります。

その妻が、廃車予定の鉄道車両から

死体となって見つかります。

オペラ「オテロ」のデズデモーナのように。

 

第二、第三の殺人事件も、オペラのセリフが

殺人現場に書き記されて・・

 

全体的に、今回の映像は暗め。照明を落とし気味な感じ。

それも、オペラの舞台を連想させてくれます。

 

取調室のシーンなんて、

容疑者の顔にスポットライトが当たって

周囲は漆黒の闇。

 

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レンブラントの絵画のようでもあります。

 

でもって。

被害者たちに共通点が見つからず、

捜査も難航しちゃう!

 

けど、

モースが、独自の仮説を組み立てて、

ぐいぐい、捜査を進めていく。

 

犯人の偽名が、

アナグラムになっているのにも、ご用心!

(英文字を並べ変えると、・・出てくるよ!)

 

犯人が最後に狙う相手は・・。

 

って、ラストのどんでん返し!

 

終わりに

雑学的なやつを、ひとつ。

 

この「刑事モース」シリーズは、

原題が「エンデバー(モースのファーストネーム)」です。

 

モースは、誰かに「名前は?」と聞かれても、

なかなかファーストネームを名乗りません。

いつも「モース」です。

 

そのセリフ回しによって、モースが

人と打ち解けにくい性格を表している、

のかもしれません。

 

同様に、

シリーズ名の邦題が「刑事モース」なのはなぜか?

苗字で名乗る方が、日本ではフツーだから?

あるいは「エンデバー」では他のもの(ロケット)を

連想してしまうから?

 

英国の人にとっては、

エンデバー」は、キャプテン・クックの帆船です。

三回航海し、オーストラリアやハワイ諸島を発見し、

世界周航を果たした、英国人の艦長の船。

 

一兵卒から艦長まで上りつめた人、

数多くの困難を乗り越えられる人、

の象徴ともいえます。

 

もしかすると、モースは、

そんな名付け親(?)の思いが重くて

名乗りづらいのかな。

 

深読みしてみました。

 

なお。

邦題っていうのは、

オンエアされるメディアによって

独自につけてよい(つけるべき?)

ものらしいです。

 

このcase3は、

WOWOWNHK  BSプレミアムでは

「殺しのフーガ」となっています。

原題は「FUGUE(フーガ)」なので、

Amazonプレミアムの

「殺しの相関図」ってなんだろー、

と思わんでもないですが。

 

犯人の隠れ家にあった予想図を見るとね、

視聴者だけでなく、モースも

ショッキングだったから、

かもしれませんね〜。

 

・・・・・・・・・・

 

以上、字幕、原題、邦題などから

ナゾ解き? 言葉遊び? に

チャレンジしましたの巻。

  

では、また。

 

 

NEXT:case4

oshi-mystery.hatenablog.com

 

 

 

※1 原題 F u g u e(フーガ)
 「刑事モース」シリーズが英国でテレビ放映されたのは、2012年のテスト版から。すでに「シーズン7(各4〜6本のエピソードで1シーズンの括り)」まで、合計30本以上が制作・公開済み。
日本では、過去にWOWOWNHK  BSプレミアムが一部を放送し、現在(2021年3月)はAmazonプレミアムで「シリーズ1(case9まで)」、U-NEXTで「シリーズ3(case 10以降?」を扱っています。
 
このブログでは、Amazonプレミアムでの区分と邦題で記載しています。
各メディアによって邦題や「シリーズ」区分が異なる可能性があります。
視聴する前に確認を。